Contact

    取材・講演のお問い合わせは、上のフォームからご連絡ください。

    メールでのお問い合わせは、info@erica-angyal.com までお送りください。

    大変申し訳ございませんが、健康問題などにつきましての個人さまからのお問い合わせやご相談にはお答えすることができませんのでご了承ください。

    * すべての項目にご記入をお願いいたします

    緑茶、奇跡のドリンク!

    緑茶、奇跡のドリンク!

    Stay Homeで在宅時間が長くなっていると、ついフェイスブックやインスタグラムをチェックしてしまったりして、気づくといつのまにか20分以上経っていた!というようなこと、ありませんか?本日は、このような集中力に欠けて少し不安定な状態の感情や行動のセルフコントロールを可能にし、しかも免疫力を高められ健康にも効果的な方法をご紹介しましょう。

    人間の脳は常に脳波と呼ばれる微弱な電気信号が出ています。頭部から実際に測定出来るその無数の脳波は、様々な精神状態や行動とリンクしています。またその脳波は、デルタ、シータ、ベータ、アルファの4種に分類されています。

    デルタ波は眠りの最も深い時に、シータ波はうとうとした眠りの浅い時に、脳から放出されています。ベータ波はフェイスブックやインスタグラムを眺めたり、ネットサーフィンをしているときに放出されている脳波です。このベータ波は、過度なストレス、不安、緊張、興奮、恐怖心などと深い関連性があるといわれており、集中力の低下を招きます。ベータ波とは対極の状態のときに放出されるのが、アルファ波です。アルファ波は精神が安定した状態であるときに放たれ、集中力を高め、生産性向上をもたらします。リラックスした、いちばん望ましい状態といえるでしょう。
    では、そんな”望ましいアルファー波を増やすには、どうしたらよいでしょうか。

    実はシンプルで、とりわけ日本にお住まいの皆さんには、とても簡単なことです。答えは緑茶を飲むこと!ただし、ペットボトル入りのものではなく、淹れたての緑茶です。
    緑茶には、カテキンなどのポリフェノールを含む、非常に多くの栄養素が含まれています。(出典1)その中でもアミノ酸の1種であるテアニンは、アルファ波を増やすといわれています。しかし、気分を高揚させるカフェインを多く含む緑茶に、リラックス効果があるというのは、いささか矛盾しているのでは?と思われるかもしれませんが、テアニンの働きによって、カフェインの刺激は抑制され、さらには心を落ち着かせ、リラックス状態に導いてくれるのです。(出典2)またその効果は、テアニン摂取後、30~40分で発揮されます。

    テアニンのリラックス効果は、2つの異なる働きによるものです。
    1つはアルファ波の増加を直接刺激し、深呼吸や瞑想などの深くリラックスした状態を作り出す働き。そしてもう1つは、神経安定を司る脳内化学物質のギャバ(GABA)を作り出す働きです。
    別の研究(出典3)では、テアニンにより増加したアルファ波は、リラックス効果だけではなく、想像力、学習力、集中力の増加、ストレス下でのパフォーマンスの向上、そして不安感の改善に関連していることが判りました。
    テアニンは、お茶の根の部分で生成されます。それが幹を経由して葉に蓄えられ、日光があたり光合成が行われると、ポリフェノールに変化します。よって、玉露のように日陰で育った緑茶は、より多くのテアニンを含みます。玉露に比べて含有量は低いですが、もちろん煎茶にもテアニンが含まれています。
    非常に興味深いことに、テアニンを含む食品は非常に稀で、お茶以外には、きのこ類の1種と、ハーブティーとして飲まれているグアユサ(南米原産の常葉樹)のみなのです。

    緑茶の効能はそれだけではありません!

    緑茶はEGCG(没食子酸エピガロカテキン)と呼ばれるフラボノイドを豊富に含み、免疫力を高める効果があることも判っています。それらは、ウイルスの増殖抑制や宿主細胞への付着を防御する働き、さらには炎症を和らげる効果も確認されています。また同様に緑茶に含まれるテアニンにも​​免疫力を高める作用が認められています。これらの成分を非常に多く含む緑茶を飲むことで、インフルエンザ予防や早期回復が期待できるのです。(出典4,5,6)
    帰宅後の手洗いうがいの際には、うがいは水道水ではなく緑茶で行う事をオススメします。緑茶の含まれるカテキンによってインフルエンザ予防、そして歯周病を引き起こす口内の細菌の増殖抑制が期待できます。(出典7)(余談ですが、一般的な欧米人はうがいをする習慣はないのですが、私は住むようになってからうがいを習慣として行っています。)

    またそのほかにも抗酸作用や、癌や菌を抑える働きもあることも判っています。そしてカテキンには脂肪燃焼作用も認められており、さらに紫外線による肌へのダメージを緩和する作用も明らかになっています。それだけでなく、若さを保つアディポネクチンというホルモンの分泌を増やすことも判っています。

    リラックス効果から免疫力アップ等々、緑茶のその素晴らしい効能は十指に余るでしょう。まさに奇跡のドリンクです。
    お気に入りのカップで淹れたての緑茶をいただくのが、私の欠かせない毎日のルーチンです。ぜひみなさんも淹れたての緑茶を1日1〜3杯飲む事をオススメします。奇跡のドリンクのその素晴らしい効能を得るだけでなく、お茶を入れカップに注ぐその静かなマインドフルな時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

    Lots of Love, Erica

    出典1: Mason R, et al., “200 mg of Zen; L-theanine boosts alpha waves, promotes alert relaxation,” Alternative & Complementaryherapies 2001, vol. 7, pp:91-95
    出典2: Kakuda T., et al., “Inhibiting effects of theanine on caffeine stimulation evaluated by EEG in the rat,” Biosci Biotechno Biochem 2000, vol. 64, pp:287-293.
    出典3: Eschenauer G, et al., “Pharmacology and Therapeutic Uses of Theanine,” Am J Health Sys Pharm, 2006 vol. 63. No. 1, pp:28-30.
    Research sources:
    出典4:Furushima, D., Ide, K., & Yamada, H. (2018). Effect of Tea Catechins on Influenza Infection and the Common Cold with a Focus on Epidemiological/Clinical Studies. Molecules (Basel, Switzerland), 23(7), 1795. https://doi.org/10.3390/molecules23071795
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6100025/
    出典5:Park M., Yamada H., Matsushita K., Kaji S., Goto T., Okada Y., Kosuge K., Kitagawa T. Green tea consumption is inversely associated with the incidence of influenza infection among schoolchildren in a tea plantation area of japan. J. Nutr. 2011;141:1862–1870. doi: 10.3945/jn.110.137547. [PubMed] [CrossRef] [Google Scholar] [Ref list
    出典6:Matsumoto K., Yamada H., Takuma N., Niino H., Sagesaka Y.M. Effects of green tea catechins and theanine on preventing influenza infection among healthcare workers: A randomized controlled trial. BMC Complement. Altern. Med. 2011;11:15. doi: 10.1186/1472-6882-11-15. [PMC free article] [PubMed] [CrossRef] [Google Scholar] [Ref list]
    出典7:Gargling with tea catechin extracts for the prevention of influenza infection in elderly nursing home residents: a prospective clinical study.
    Yamada H, Takuma N, Daimon T, Hara Y
    J Altern Complement Med. 2006 Sep; 12(7):669-72.
    [PubMed] [Ref list]
    出典8:Chatterjee, A., Saluja, M., Agarwal, G., & Alam, M. (2012). Green tea: A boon for periodontal and general health. Journal of Indian Society of Periodontology, 1(2), 161–167. https://doi.org/10.4103/0972-124X.99256
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3459493/

    <Photo by Gorta Yuuki>

     

    Comments are closed.