人生の約3分の1の時間は睡眠で占められています。睡眠は、健康・バイタリティ・美容、そして年齢を美しく重ねるために、とても重要なものです。それだけではなく、記憶力・感情のコントロール・決断力・想像力にも大変大きな影響を与えることも判っています。大手企業のグーグルなどは、社員の仕事の効率アップを図るため「ナップポッド」と呼ばれる睡眠マシンを導入しているほどです。

睡眠不足になると、免疫機能が低下し、体内で炎症を起こしやすく、物忘れ・体重増加等を招き、肌の老化も早めます。さらには糖尿病・心臓病・がんの発症リスクを高めるとも言われています。

これまでにも、睡眠の重要性についてはこのフェイスブックで何度も取り上げています。

過去の投稿はこちら：

– 快眠の秘訣 https://goo.gl/6iKa3y

– 睡眠ダイエット https://goo.gl/tb3pba

– 眠り上手はやせ上手！睡眠とダイエットの深い関係 https://goo.gl/ngYR3d

– いい眠りでおなかスッキリ？！　睡眠はスッキリお腹の救世主 https://goo.gl/C4SCjM

今日はさらなる重要な睡眠機能についてご紹介しましょう。

「起きている間に神経活動の副産物として脳内に生じた老廃物は、寝てる間に排出されるという、睡眠の持つ回復機能が研究(出典1)により立証されました。

脳には「グリンパティックシステム」と呼ばれる脳脊髄液の循環システムがあり、脳内に蓄積された老廃物を排出することができるのです。このグリンパテイックシステムは、睡眠によって循環機能が60パーセント増加し、それに伴い老廃物の排出も促がされることが確認されています。

逆に、 睡眠不足になると、老廃物は脳内に蓄積され、脳にダメージを与えます。アルツハイマー病・パーキンソン病を含む、大半の神経変性病は、脳内の老廃物(毒性タンパク質)蓄積に関連があると言われています。

これらの老廃物の一つ、アミロイドβは、アルツハイマー病患者の脳内に塊となって蓄積されていることが確認されています。

研究者たちは、毒性タンパク質の蓄積が、神経を死滅させ認知症を引き起こすと推測しているそうです。睡眠は、これらの毒性タンパク質を特定し排出するという脳本来の能力をサポートする働きをするのです。こういったことから、良質の深い睡眠ほど、配管システムのように脳を浄化し、その過程でその脳の細胞構造を変化させ得るのです！

記憶障害と睡眠の関連性を調べた研究(出典2)によって、アミロイドβは身体が必要とする休息を取れないように働きかけ、慢性的な睡眠不足への悪循環を作り出すことがわかりました。

また、脳の特定箇所にアミロイドβが多く蓄積されていると、深い眠りに入りにくくなり、その結果、記憶力の低下を招くこともわかりました。さらには、眠りが浅いほど、このアミロイドβを有効的に排出するのが難しくなるそうです。

良質な睡眠が大切であるもう一つの重要な理由をお判りいただけたでしょうか。日本人女性の平均睡眠時間は、世界一短いと言われています。たとえ眠気を感じていないとしても、脳は毎日休息が必要としています。美しい艶のある肌、心身と脳の健康を保つためには、毎日充分な睡眠が不可欠です。最低でも7時間の上質な睡眠を心がけてください。

Lots of Love, Erica

出典1: Xie, L., Kang, H., Xu, Q., Chen, M. J., Liao, Y., Thiyagarajan, M., . . ., Nedergaard, M. (2013). Sleep Drives Metabolite Clearance from the Adult Brain. Science, 342(6156), 373-7. http://doi.org/10.1126/science.1241224

出典2：Mander, B. A., Marks, S. M., Vogel, J. W., Rao, V., Lu, B., Saletin, J. M., & Walker, M. P. (2015). β-amyloid disrupts human NREM slow waves and related hippocampus-dependent memory consolidation. Nature Neuroscience, 18(7), 1051–1057. http://doi.org/10.1038/nn.4035