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    心配してもいいことなし! 心身を蝕む心配事を遠ざける方法とは?

    心配してもいいことなし! 心身を蝕む心配事を遠ざける方法とは?

    みなさんは、周りの人が自分のことをどう思っているのかと心配になることはありませんか?または、友人からの連絡がない時、もしかして自分が傷つけるようなことでも言ってしまったのではないかと心配になったり、勇気を出してデートに誘っても良い返事がもらえないのではないかと心配になったりすることはないでしょうか。はたまた、仕事でのプレゼンや学校での試験に失敗したらどうしよう、仕事や学校の成績が去年より下がってしまったらどうしようなどと心配してしまうこともあるかもしれません。その他にも、天災や感染症、経済崩壊といった大きい心配事から、自分の応援しているスポーツチームが試合で負けたらどうしようという小さな心配事まで、私たちは日々、大小様々な悩みを抱えて生活しています。しかし、実際には問題の大小に関わらず、あなたがどれだけ心配してもどうすることもできないことが実はほとんどなのです。

    しかし、日々心配事を抱えて過ごすというのは日本だけのことではなく、ヨーロッパでもアメリカでも、どこも似たような現状があるようです。例えば、ある調査(出典1)によると、イギリス人は人生のうちで約5年2ヶ月もの期間を心配事に費やしている計算になるそうです。また、米国国立精神保健研究所よると、アメリカ人の18%以上が不安障害を患っており、その症状の一つでもある過度の心労または緊張状態は、別の身体症状を誘発する要因にもなっているようです。(出典2)

    私たちは、自分の未来についてマイナスの可能性を想像すると不安で心配になるわけですが、この「心配」というのは「将来に対する否定的な期待」とも言い換えることができます。私たちが心配をするとき時何が起こっているかと言うと、実際に起こったことではなく、将来の起こり得るマイナスな出来事を考えることに私たちは時間とエネルギーを費やしています。さらには、過去に起こったことがまた起こるのでないかという心配もまた、将来に対するネガティブな想像でしかありません。

    「心配」とは、恐怖に対する反応です。将来起こり得る危険を予測し、それを回避し、自分たちの安全を維持するために人間に備わっている感情で、これは脳が自分の身を守ろうとしているのです。しかしながら、滅多に起きないようなことを心配してしまうこともしばしばです。慢性的心配性の人は「心配」をすることにより自分の未来をコントロールできると信じている嫌いがあるのですが、継続的な心配はいつしか習慣となり、やがて終わりのない心配のスパイラルに陥ってしまいます。

    このマイナスの感情は、無意識の内に私たちの脳を乗っ取ります。そして、頭の中を駆け巡り続け、どんどん大きくなっていき、容易に解放してくれません。この感情は、心身を消耗させてただストレス値を上げるだけで、私たちに何のメリットももたらしてはくれません。心配している内容のほとんどが滅多に起こらないことであるため、それはエネルギーの無駄遣いとも言えます。ここで大切なのは、心配している問題に対して、あなたに出来ることがあるのか無いのかということなのです。

    今度、あなたに何らかの心配事が起きた時、一度気持ちを落ち着かせて自分自身にこう問いかけてみてください。

    「この状況を少しでも良くするために(あるいは、より良い結果を導き出すために)自分には何が出来るのだろう?」

    そう、あなたがどうすることも出来ないことを心配する代わりに、あなたが出来ることに意識を集中させるのです。

    例えば、あなたが試験について心配しているとします。その不安な気持ちを抱く代わりに、まず自分に何が出来るかということを考えます。あなたが心配したところで、先生や試験問題を変えることは出来ないからです。あなたが変えられるのは、あなた自身の状態と試験勉強の時間と内容です。ただ心配しているだけでは良い成績は得ることはできませんが、あなたの行動次第では良い結果をもたらすことが出来るようにもなります。

    同様に、もしあなたの会議での発言内容に出席者がどう思ったかを心配しているのなら、それはすぐにやめましょう。相手が思ったことをあなたには変えることはできません。しかし、あなた自身を変えることならできます。では、そこから少しでも好ましい結果を引き出すために、あなたには何が出来るでしょうか?もし言いすぎてしまったと少し気になっているのであれば、次の日に相手にその旨を伝えて素直に謝ってみるのはどうでしょう。この経験を通して、気まずかった相手との関係も改善され、今後似たような状況に出くわしても、どう対処すればいいのかが分かるかもしれません。このような時にすべきことは「心配」することではなく、解決策を「考える」ことで、その考えに基づいた行動により、状況を良い方向に動かしていくことができるようになるのです。

    もちろん、なかには本当に心配しなくてはいけないような事もあるでしょう。そんな時は、その「心配」からより良い解決策を導き出すべく、「考える」方へ意識を切り替えることが出来ればいいのです。繰り返しますが、ほとんどの心配性の人たちが悩んでいるのは、多くの場合は滅多に起こらないことなのです。

    もし、あなたが「心配のスパイラル」に陥ってしまい、その感情から逃げられないのであれば、何か違うことをして気をそらしてみましょう。散歩に出かけたり、映画をみたり、音楽を聴いたり、本を読むのもいいでしょう。または、木々や雲、動物、そして建物、周りの人々、音、色などあなたの周りにあるものに意識を集中させてもいいかもしれません。誰かに電話したり、お友達に会ったりするのも効果的です。言うまでもなく、悩みは話せば軽くなるものです。

    私たちの考え方によって身体の反応も大きく変わります。それを実感できるのが以下のエクササイズです。

    <エクササイズ1>

    Step 1: まず、自分が不安や心配になることを見つける。

    Step 2: その問題に意識を集中させながら詳細まで想像する。

    Step 3: その時の自分の身体や心の変化を観察する。(呼吸の速度や表情の変化、筋肉の緊張など)

    恐らく「鼓動が早くなった」「身体が緊張していくのが分かった」「不安な気持ちになった」と感じた方が多かったのではないでしょうか。それでは、次に以下のエクササイズを試してみてください。

    <エクササイズ2>

    Step 1: エクササイズ1と同じ心配事に対して、全てあなたの望むように上手くいき、完璧な結果が得られたことを想像する。

    Step 2: さらに意識を集中させながらその詳細までを想像する。

    Step 3: その時の自分の身体や心の変化を観察する。(呼吸の速度や表情の変化、筋肉の緊張など)

    いかがでしょうか。これらのエクササイズを通して、心と身体に起きた大きな変化に気づいた方も多いのではないでしょうか。ポジティブな思考は心と身体に心地良い影響を与えるということがお分かり頂けたかと思います。

    次にあなたが何か壁にぶつかった時は、全て自分の望むように上手くいくと想像しながら、ポジティブな結果を思い描くようにしましょう。逆に言えば、こういうポジティブなトレーニングを続けていけば心配事は減らすことができるのです。「生まれつき心配性だから、、、」と諦める必要はありません。あなたの心と身体にマイナスの影響を与えるネガティブな思考を、今日から少しずつ意識的に遠ざけるように努力してみましょう。その小さな積み重ねが、気付かないうちに少しずつ幸せを引き寄せてくれますよ。

    Lots of Love, Erica

    (出典1): http://www.dailymail.co.uk/…/You-CAN-stop-worrying-How-trai…

    (出典3):Todd, E. et al., “Control of Stress-Induced Persistent Anxiety by an Extra-Amygdala Septohypothalamic Circuit,” Cell, 2014, vol. 156, no. 3, pp: 522-536.

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