日本人女性は、世界で最も睡眠時間が短いということ、知っていますか?明日のお弁当の準備、掃除、片付け、整理整頓、残りの仕事などを済ませると就寝はいつも夜半過ぎ。ですが、翌朝には誰よりも早く起床し、洗濯や朝食の支度をしています。最近では家事・育児・介護の夫婦分担も増えつつありますが、それでもいまだに女性の負担は大きく、男性よりも睡眠時間が短いのが現状でしょう。
スマートフォンアプリ「Sleep Cycle」が行った、世界50ヵ国のユーザー100万人を対象に9ヶ月間かけて行われた調査(出典1)で、日本人女性は世界のどの国の女性よりも睡眠時間が短いことが判りました。日本人女性の平均睡眠時間は5時間56分で、フィンランド人・オランダ人・ニュージランド人女性の平均睡眠時間の7時間41分に比べ2時間近くも短く、またフランス人・イギリス人・オーストラリア人女性の平均睡眠時間に比べ1時間半も短かったのです。
別の研究(出典2) では「女性は男性よりも長い睡眠時間を必要とする」ということが明らかになりました。女性は男性よりも約20分余分に睡眠を必要としているのです。でも一体なぜなのでしょう?これには諸説がありますが、一番の要因として考えられるのは、女性の脳が一度に複数の仕事をこなすマルチタスクな脳だからではないかと考えられます。
日中に使った脳の回復の為には、それに比例した分の睡眠時間が必要になります。深い眠りに入ると、記憶・言語・思考など様々な機能を司る大脳皮質が休止状態となり、その間に脳が回復されるのです。
マルチタスクな脳をもち、実際に男性よりも多く脳機能を使うといわれる女性は、男性よりも長い睡眠時間を必要になるわけです。
もちろん、個人差があるでしょうし、例えば意思決定やラテラルシンキング(水平思考)を要する仕事を持つ男性などは、男性の平均睡眠時間に比べ、長い睡眠が必要です。しかしながら、女性の場合は、その脳の構造の理由から長い睡眠が必要とされるのです。
ここでもう1つ、多くの女性が気になる肌の老化と睡眠の関係について紹介しましょう。最近発表された研究(出典3)より、女性が睡眠不足になると、シワ・くすみ・たるみ・弾力低下などの老化現象が加速することが判明しています。また、睡眠不足の女性の肌は、しっかりと睡眠をとっている女性に比べ、肌のバリア機能が弱く、水分量は相当低い傾向にあるそうです。
さらに、紫外線・大気汚染・排気ガスなどの環境ストレスからダメージを受けた肌の回復状態を比較したところ、睡眠不足の女性の肌は回復がかなり遅く、肌の再生や修復を促す働きが弱かったことが判りました。
女性にとってしっかりと睡眠をとることは、脳の回復そして肌の老化防止にとても重要なのです。忙しい貴女の可能な範囲で、早めの就寝を優先的に心がけましょう!
Lots of Love, Erica
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(出典1): Annalisa, M. “Worldwide, women sleep more than men. (Then why are we so exhausted?),” QUARTZ, May 2015.
http://qz.com/411701/worldwide-women-sleep-more-than-men-then-why-are-we-so-exhausted/
(出典2): Suarez, E. C., “Self-reported symptoms of sleep disturbance and inflammation, coagulation, insulin resistance and psychosocial distress: Evidence for gender disparity,” Brain, Behavior and Immunity, 2008, vol. 22, no. 6, pp: 960-968.
(出典3): Oyetakin-White, P.A, et al, “Does poor sleep quality affect skin ageing,?” Clinical Experimental Dermatology, 2015, vol. 40, no. 1, pp: 17-22
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