喫煙が健康と若々しく美しいお肌の敵であることはよく知られていますが、女性の中にはダイエットのためと正当化する人もいます。しかし、昨年発表された20,963人を対象とした研究論文(出典1)によると、逆に喫煙はお腹の脂肪を増やしてしまうということが判明しました。また、他の研究論文(出典2)では、喫煙者は非喫煙者に比べて自分の身体に対してより不満を持っているということです。
出典1の研究によると、女性喫煙者は非喫煙者に比べ体重は少なかったものの、ウエストは太く、体重に関係なく、ウエスト対ヒップ率(ウエスト÷ヒップ)が高い(=くびれていない)ということが分かりました。この傾向は、若い女性とヘビースモーカー(1日20本以上)の間で特に顕著でした。研究者らは、喫煙することで体内での抗エストロゲン作用を生じさせると推測しています。そのため、より男性的な脂肪のつき方になってしまうのではないかとみています。通常、女性はお尻や太ももに脂肪がつきやすく、男性はお腹に脂肪がつきやすい傾向があるのです。
その一方、たばこをやめると逆の作用を引き起こし、たばこをやめた人は喫煙者と比べてウエスト対ヒップ率が低くなった(=くびれた)のです。ウエスト対ヒップ率が低い方が、乳がんやメタボリック症候群、心臓疾患のリスクが低く、他人からより魅力的にみられる傾向にあるという論文結果(出典3)も出ています。
出典2の研究によれば、喫煙者は非喫煙者に比べて自分の身体に不満を持っており、喫煙量が増えれば増えるほど、その気持ちが増していくということです。
健康と美を保つというのが喫煙をしない一番の理由ですが、それだけではなく、よりスリムなウエストと、自分の身体に対する自信を得られるという利点があることも覚えておいてください。周りに「禁煙したいけど太るのが怖い…」と言っている人がいたら、ぜひこの事実を教えてあげてくださいね!
Lots of Love, Erica
(出典1) Kim J.H., et al, “Cigarette Smoking Increases Abdominal and Visceral Obesity but Not Overall Fatness: An Observational Study,” PLoS ONE, 2012, 7(9): e45815. doi:10.1371/journal.pone.0045815
(出典2) Napolitano, M. A., et al, “Targeting body image schema for smoking cessation among college females: rationale, program description, and pilot study results.” Journal of Behavior Modification, July 2011, vol. 35, no. 4, pp: 323-346.
(出典3) Singh, D., et al, “Body weight, waist-to-hip ratio, breasts, and hips: Role in judgments of female attractiveness and desirability for relationships,” Journal of Ethology and Sociobiology, November 1995, vol. 16, no. 6. Pp: 483-507.
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