腸内フローラは私たちの健康や体重管理、そして美容にとって重要な働きを果たしています。ここ十年ほどで、消化器系の健康と腸内フローラ、そして脳と精神状態とが密接に関わっていることを立証するデータが続々と発表されています(出典1)。
消化器系がハッピーな状態なら、気分もハッピーでいられるのです!
スウェーデンからの新しい研究結果によれば、腸内フローラのバランスは最も恐ろしい疾患の一つ、アルツハイマーと関連があるということが分かりました(出典2)。腸内環境が不健康のままだと、アルツハイマーの進行を加速させる恐れがあるというのです。
具体的な研究により、アルツハイマー病の人とそうでない人とでは、消化システム系の細菌プロファイルが明らかに異なるということが分かりました。
消化器系の悪玉菌が、ベータアミロイド斑と呼ばれる粘着性のタンパク質の塊(凝集塊)を脳の神経細胞に形成する可能性があることがわかったのです。
これらのタンパク質凝集塊は、脳のニューロン(神経細胞)の間に蓄積して、神経細胞を徐々に死滅させる働きをします。脳内の神経細胞間にあるベータアミロイド斑は、アルツハイマー病の主なサインとなります。
腸内細菌が脳内のベータアミロイドタンパク質の蓄積に直接的な影響を与えるメカニズムは、まだ完全には解明されていませんが、細菌は腸内の「制御性T細胞」と呼ばれる特定の免疫細胞に作用すると考えられています。この免疫細胞は、腸内の局所的、そして脳を含む全身の炎症性疾患を制御しています。
腸内フローラとアルツハイマー病との関連を示す研究はこれだけではありません。
近年の研究でも(出典3)、アルツハイマー病の発症には腸内フローラが関与することが発見されました。
腸内フローラは、食生活や生活習慣に非常に敏感に反応します。
あなたが毎食口にするものが、消化器系の微生物群を形成していくのです。
食事、運動、ストレス、毒物暴露、、、
これら全てが消化器菅の細菌バランスの構成に多大な役割を果たしているのです。
精製された炭水化物と砂糖の過剰摂取による高血糖もまた、劇的にアルツハイマー病のリスクを高めます。これに関する過去の投稿はこちら:
■太るだけでは済まされない!?記憶・代謝機能関連遺伝子損傷まで引き起こす、異性化糖とは?』https://goo.gl/LYoglD
■『甘くて脂っこいもの好きの人』は要注意!その食生活が思考力をも鈍らせる原因に。 https://goo.gl/DT8MsU
■『血糖値コントロール』これが美と健康、そして脳機能と記憶力を保つためのキーワード!https://goo.gl/RFsEda
ここで一つ、明るいニュースを。
アルツハイマー病は予防可能な病気であり、毎食何を摂るかを賢く選択することで、発症のリスクを軽減することができます。
そのためには、味噌、納豆、甘酒、塩麹、漬物などの発酵食品をたくさん食べるようにしてください。また、全粒粉、果物、野菜、プレバイオティック食品(タマネギ、ニラ、ニンニク、皮付きサツマイモなど)など、繊維質が豊富な野菜中心の食生活を心がけることも大切です。
そしてもちろん、良質の睡眠と定期的な運動、ストレスマネージメントに加えて、脳に刺激を与えることも、病気のリスクを抑えるのに役立ちます。
一番知っておいていただきたいのは、一日一日を私たちがどう過ごすのかが、腸内フローラに影響を与えるということです。
それならなんとかしよう!という気になりますね。
アルツハイマー病のリスクを軽減できるだけでなく、理想体重のキープやバイタリティの向上、そしてツヤのある肌を手に入れられます!
Lots of Love, Erica
出典1:Mayer, E. A., Knight, R., Mazmanian, S. K., Cryan, J. F., & Tillisch, K. (2014). Gut Microbes and the Brain: Paradigm Shift in Neuroscience. The Journal of Neuroscience, 34(46), 15490–15496. http://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.3299-14.2014
Foster, J. A. (2013). Gut Feelings: Bacteria and the Brain. Cerebrum: The Dana Forum on Brain Science, 2013, 9.
http://dana.org/Cerebrum/Default.aspx?id=39496
出典2:Harach, T., N. Marungruang, N. Duthilleul, V. Cheatham, K. D. Mc Coy, G. Frisoni, J. J. Neher, F. Fåk, M. Jucker, T. Lasser, T. Bolmont. (2017). Reduction of Abeta amyloid pathology in APPPS1 transgenic mice in the absence of gut microbiota. Scientific Reports, 7, 41802.
http://doi.org/10.1038/srep41802
出典3:Hill, J. M., Bhattacharjee, S., Pogue, A. I., & Lukiw, W. J. (2014). The Gastrointestinal Tract Microbiome and Potential Link to Alzheimer’s Disease. Frontiers in Neurology, 5, 43.
http://doi.org/10.3389/fneur.2014.00043
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