<エリカのビューティールール: No. 3>
スムーズなお通じは美女の必須条件。
植物繊維の大切さを見直して!
日本人女性から一番よく聞く悩みは、冷え性の他に便秘や便通の悪さが挙げられ、特に若い女性はびっくりするほど当たり前のように下剤を使用しているようです。
実は、みなさんがよく食べている加工食品、精製食品、コンビニエンスストアで販売してる食品などは、便通を良くしてくれる食物繊維がほとんど入っていないことが多いのです。例えば、朝食は白い食パンにジャム、昼食はパスタまたは丼物、そして夕飯はお寿司かチャーハンというような食生活を送っていませんか? これらはほぼ食物繊維ゼロの食事内容であり、確かに便秘にもなるわけです。これでは理想の健康や美しさを手に入れることは出来ません。
実際、私たちの日常には食物繊維を含む食品が多く存在します。しかし、例えば、穀物など元来の栄養価は高いものの、加工の過程で食物繊維を含む多くの栄養素が取り除かれてしまっています。また、食物繊維を豊富に含む野菜や果物や豆類は、ほとんどの人が十分に摂取できていません。その結果、私たちは食物繊維不足となり、しだいに消化管(食道、胃、小腸、大腸、直腸)の働きが鈍り、便は腸内をスムーズに通れず便秘になり、痛みと不快感を伴いながらトイレに駆け込むことになってしまうのです。また、慢性的な便秘は、皮膚発疹を含む様々な病気を引き起こします。
食物繊維は腸の機能を良くしてくれるだけでなく、腸内環境を整え、血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの分泌を抑制してくれます。また、満腹感を持続させ、間食や暴食を防ぎ、私たちの身体をスリムに保ってもくれます。食物繊維とは便の量を増やし、老廃物や有害物質を絡め取り、腸のお掃除をしてくれる大きなほうきのようなものなのです。お通じが良いということは美の基礎であり、美しい肌を手に入れるためには欠かせない要素です。
そもそも食物繊維とは何なのでしょうか。それは、カロリー値に影響しない植物の消化されない部分であり、野菜や果物、ナッツ類や豆類、そして玄米などの全粒穀物に含まれています。食物繊維は身体にとって必要不可欠なものですが、体内では消化されずに、摂取したときと概ね同じくらいの量で体外に排出されます。水溶性と不溶性の2種類があり、大抵の植物性食品には両方含まれています。
水溶性の食物繊維は腸内でゲル化し食物の水分を包み込むため、消化吸収のスピードを遅め、血糖値の上昇を抑えて満腹感をもたらします。それに対して、不溶性食物繊維は水に溶けずそのまま大腸まで到達し、便の量を増やし柔らかくして腸内をスムーズに運んでくれます。 要するに、腸の運動を盛んにさせ、ほうきのように体内の食べかすと毒素を排出する手助けをしてくれるのです。
しかし、知っておきたいのは、少量の食物繊維では血糖値の急上昇を制御して食欲を抑えることは難しいということです。ある研究(出典1)によると、食物繊維の摂取量を1日12gから24gに増やした女性は、同じ質量で食物繊維が少ない食事を摂った女性よりも摂取カロリーが90キロカロリー少なかったという結果が出ています。1日90キロカロリーは大した数値ではないと感じるかもしれませんが、食物繊維をしっかり摂取するだけで1年で約4kgの減量が出来るということになります。他の研究(出典2、3)でも、食物繊維を1日10g増やすと、お腹の内臓脂肪が減り、体重増加を抑え、徐々に胴回りの脂肪がつきにくくなるという結果も出ています。
また、食物繊維が豊富な食事はガン予防にも繋がります。1日30g以上摂取した女性は、乳ガンのリスクを減らす効果があるということが分かっています。また、ある大規模な研究(出典4)では、1日38~77g摂取した場合、卵巣ガンになるリスクが20%も減少したという結果も出ています。
ただひとつ言える食物繊維の難点とは、ほとんどの人が必要な量を食べられていないということです。では、いったいどれくらいの量を摂取すれば良いのでしょうか。日本の厚生労働省は成人女性は1日17g以上の摂取が目標としていますが、私は25gを目指して欲しいと思っています。水溶性か不溶性かは気にする必要はありません。植物性の食べ物をたくさん食べるよう心がければ、2種類ともしっかり摂取することができるはずです。それでは、私がオススメする食材にはどれだけ豊富に食物繊維が含まれているかをご紹介します。
<野菜類>
さつま芋(焼き芋1/2カップ)=4 g
芽キャベツ(1/2カップ)=3.8g
オクラ(1/2カップ)=3.1g
アスパラガス(1/2カップ)=2.8g
ブロッコリー(1/2カップ)=2.4g
ほうれん草(1/2カップ)=1.6g
<果物類>
ラズベリー(1/2カップ)=8g
アボカド(1/2個)= 7g
洋なし(1個)=6g
リンゴ(1個)=4g
乾燥イチジク(1.5個)=3g
グレープフルーツ(1/2カップ)=2g
プルーン(3粒)=1.7g
<豆類、ナッツ類>
枝豆(1カップ)=8 g
レンズ豆(煮豆1/2カップ)=8 g
黒豆(1/2カップ)=8 g
フラックスシード(大さじ2)=6 g
ココナッツ粉(大さじ2)=5g
アーモンド(1/4カップ)=4 g
ピーナッツ(28g)=2 g
<穀物類>
チアシード(大さじ1)=6 g
炊いたキヌア(1カップ)=5 g
玄米(1カップ)=4 g (※ 白米1カップ=0.6g)
食物繊維を手軽に摂る方法としては、果物をおやつや朝食に取り入れたり、ドライフルーツ(イチジクやプルーン)やナッツ類(アーモンドやクルミ)を携帯して小腹が空いたときに食べるのがオススメです。他には、焼き芋や枝豆をおやつにしたり、レンズ豆や黒豆をスープやサラダに入れたり、主食を白米から玄米に変えたり、お米を炊く時に豆類やキヌアを入れたりするのも効果的です。そして、一日にたくさんお水を飲むことも忘れないでくださいね。
食物繊維は満腹感を満たしながら、最終的に摂取するカロリーを抑えてくれるありがたい栄養素です。さらには、血糖値の上昇とインスリンの分泌を抑制するという美と健康を手に入れるための嬉しい効果もあるということをぜひ覚えておいてください。
Lots of Love, Erica
(出典1) Baer, D. J., et al., “Dietary fiber decreases the metabolizable energy content and nutrient digestibility of mixed diets fed to humans,” Journal of Nutrition, 1997, vol. 127, no. 4, pp: 579-86.
(出典2) Kristen G. Hairston, K. G., et al., “Lifestyle Factors and 5-Year Abdominal Fat Accumulation in a Minority Cohort: The IRAS Family Study,” Journal of Obesity, 2011; DOI: 10.1038/oby.2011.171
(出典3) Du, H., et al., “Dietary fiber and subsequent changes in body weight and waist circumference in European men and women,” American Journal of Clinical Nutrition, February 2010, vol. 91, no. 2, pp: 329-336.
(出典4) Nagle, C. M., et al., “Carbohydrate intake, glycemic load, glycemic index, and risk of ovarian cancer,” Jouranl of Annals of Oncology, June 2011, vol. 22, no. 6, pp: 1332-1338..
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