睡眠にお悩みをお持ちの方は、少なくないのではないでしょうか?そういう私も睡眠に悩みを持つ1人なのですが。そしてそれはストレスが1つの大きな原因であることは、みなさんもご存じのことと思います。終わりのないTo-doリスト、テクノロジーによる容量オーバー、何時間あっても足りない時間、ベッドに入った途端に頭の中でグルグルと巡り始めるあれやこれや、、、。本日は、大変興味深い研究によって明らかになった、ゆったりとした呼吸によって、自律神経などの中枢神経系と迷走神経などの主な神経系の活動が強化され、睡眠の質を向上へ導くというお話をご紹介いたします。
上記の研究とは別の研究ですが、眠りの浅い人は副交感神経活動が鈍く、交感神経が活発であることが証明されています。交感神経が優位に働いているのは、常にアクセル全開でブレーキがかかりにくい状態です。
「呼吸」の話にもどしましょう。その睡眠の質を向上させる「呼吸」とは、一体どういったものなのでしょうか?それは、寝る前に、3秒吸って7秒吐くサイクルを20分間繰り返すというシンプルな呼吸法です。この間隔の呼吸法によって、迷走神経が活発になり、心拍数の変動の改善などの素晴らしい利点があることが判っています。これによって、リラックス効果やストレスの軽減、そして睡眠の質の向上が促進されます。
ちなみに被験者の睡眠の質は、睡眠ポリグラフィー(睡眠の状態を全体的に調べる終夜睡眠検査)とアンケートによって評価されています。その他の呼吸の間隔サイクルも試されましたが、最も効果的であったのが、3秒吸って7秒吐く、計10秒の呼吸サイクルを、1分で6回、寝る前に20分間行う呼吸法でした。
ただし慣れないとゆっくり吸ったり吐いたりすることを20分間も続けるのは難しいかもしれませんから、初めは数分からスタートしても良いと思います。シンプルな呼吸法ですから、睡眠の質を向上させたい方はぜひ試してみてください。そしてその効果をシェアしていただければ幸いです。
Lots of love, Erica
出典1:Tsai HJ, et al. Efficacy of paced breathing for insomnia: enhances vagal activity and improves sleep quality. Psychophysiology 2015, 52(3):388-96. doi: 10.1111/psyp.12333
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