高品質エクストラバージンオリーブオイルの素晴らしい健康と美容の効果については、これまでFacebookや著書でも繰り返しお伝えし、積極的に食生活に取り入れることをおすすめしてきました。逆に、マーガリン、ショートニング、水素添加油や部分水素添加油などのトランス脂肪酸は、可能な限り摂取を控えるべきオイルです。本日は、トランス脂肪酸と同様に「避けるべき油」として、キャノーラ油、グレープシード油、コーン油、大豆油、ひまわり油、紅花油などの種子油 =”精製オメガ6オイル”についてお話ししたいと思います。
上記の精製オメガ6オイルが、私たちの健康にどのような影響を与えるのかについて、長年の研究によって明らかにされてきています。これらのオメガ6オイルは炎症を引き起こし、そしてそれがアルツハイマー病、がん、心疾患などの慢性的疾患の根本的原因となることが認められました。最新の大規模な研究(出典1)によって、これらのオメガ6オイルと大腸がんと直腸がんの関連性が判明。これらのがん、とりわけ大腸がんについては、日本だけでなく世界中で若年層の間で急増しています。
では、オメガ6オイルがどのように大腸がんと関連しているでしょうか?基本的に、このオメガ6オイルを摂り過ぎると、炎症誘発化学物質が生成され、免疫系が抑制される為、がん細胞が増殖しやすくなります。その中でも、特に大腸内でがん細胞が増殖・拡散を刺激する環境となると考えられています。
では、どのような食品の中にこのオメガ6オイルが使われているのでしょうか?加工食品または超加工食、ほとんどのパッケージ食品に使われています。例えば、サラダドレッシング、サラダ油、多くの植物性油、コンビニ食、テイクアウト食、そして大変残念ですが、多くのレストランでオメガ6オイルが調理に使用されているようです。なぜならオメガ6オイルは、非常に安価である上に、保存期間がとても長いからです。
もちろん、オメガ6オイルだけが大腸がんの原因であるというわけではありません。マイクロプラスチック、食物繊維不足、抗酸化作用が豊富なカラフルなフルーツや野菜不足、その他の植物由来食品の摂取不足、加工肉の摂取過多、食品添加物、保存料の摂取、腸内細菌叢のアンバランス、特定な薬や医薬品、運動不足など様々な原因が考えられます。
また、オメガ6オイルを加熱(揚げたり焼いたり)すると、酸化してアルデヒドと呼ばれる有害科学物質が放出されます。そのアルデヒドはDNAを傷つけ、エネルギー生成する細胞:ミトコンドリアを含む細胞機能を低下させ、酸化ストレスも引き起こします。また驚くことに、調理の煙にもアルデヒドが含まれており、その煙を吸い込むだけでも経口摂取と同等に有害であること分かっています。
しかしながら、これらの種子油はいまだに”心臓の健康に良い食品”として宣伝されていることには、驚くばかりです。ですので、成分表示をしっかりと確認して、精製オメガ6オイルを避けましょう。完全に削除することは難しいと思いますが、超加工スナックや市販のサラダドレッシングも極力控えた方がよいでしょう。代わりにオメガ6オイルではなく、エクストラバージンオリーブオイル、エゴマオイル、アボカドオイル、ココナッツオイルまたはギーを使用しましょう。
また、さば、サーモン、はまち、イワシなどの冷水魚のオメガ3脂肪酸を積極的に摂ることをおすすめします。オメガ3脂肪酸(エクストラバージンオリーブオイルなどに含まれるオメガ9脂肪酸と共に)は抗炎症作用が高く、艶と潤いのある肌へと導いてくれますよ。
Lots of love, Erica
出典1: Soundararajan R, Maurin MM, Rodriguez-Silva J, et al, Integration of lipidomics with targeted, single cell, and spatial transcriptomics defines an unresolved pro-inflammatory state in colon cancer, Gut, Published Online First: 10 December 2024. doi: 10.1136/gutjnl-2024-332535
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