みなさんは、健康に欠かせないミネラル:マグネシウムを十分に摂れていますか?マグネシウムはストレスに対処するために不可欠なものであり、私たちの体内に生じる化学反応(少なくとも300以上)にも必要とされています。そして、昨年発表された研究(出典1)で、マグネシウムを多く摂取が、健康な脳機能に極めて重要であることが判りました。
40歳から73歳の6,001名の被験者からデータを集め進められたこの研究で、若い頃からマグネシウムを摂取することが、将来の認知能力低下や神経変性疾患を予防につながるということが明らかになりました。収集データは、血圧検査、MRIスキャン、日々の食事によるマグネシウム摂取量などが含まれています。
そしてMRI検査の結果、マグネシウム摂取量が多い人ほど脳容積が大きく、白質病変(WML)が小さい(これらは認知症の指標とされているもの)ということも示されました。
また、毎日550mg以上のマグネシウム摂る人は、350mg(平均的な1日のマグネシウム摂取量)しか摂らない人に比べ、55歳時で脳年齢がおよそ1歳程若いということが判りました。
以上のことから、マグネシウム摂取量を40%程増やすことで、脳の健康の向上、認知能力の維持、そして認知症リスクの軽減が期待できるといえます。ちなみに、食事からマグネシウムを多く摂取することによる神経保護効果は、男性よりも女性の方が高いのだそうです。
では、マグネシウムのどのような作用が認知症リスクを軽減させるのでしょうか? マグネシウムには血圧に対して良い作用があることと同様に、神経保護物質であることが広く知られています。高血圧は認知症リスクを高めますが、マグネシウムは神経系と脳の保護し、血管を弛緩/拡張を促し、最終的には血圧に良い効果をもたらし認知症リスクを軽減します。 その他マグネシウムには炎症を軽減する働きもあります。
日本の国立がんセンターで行われた大規模な研究(出典2)では、マグネシウムを多く摂る日本人は、心臓発作やその他の動脈硬化に関連する生活習慣病のリスクが30〜40%も低くなることが明らかになっています。
私も日々よく食するマグネシウムが豊富な食材は、アボカド、アーモンド、ダークチョコレート、海苔、ゴマ、豆腐、イチジク、昆布、バナナ、クルミ、ひよこ豆、テンペ、カボチャの種、枝豆、ワカメ、サーモン、ほうれん草、ピーナッツバター、 アーモンドバター、玄米、キヌアなどです。よかったら参考にしてみてください。日々の食事で美味しくマグネシウムをたっぷり摂ることをおすすめします。
Lots of love, Erica
出典1:Alateeq K, Walsh EI, Cherbuin N. Dietary magnesium intake is related to larger brain volumes and lower white matter lesions with notable sex differences. Eur J Nutr. 2023 Aug;62(5):2039-2051. doi: 10.1007/s00394-023-03123-x. Epub 2023 Mar 10. PMID: 36899275; PMCID: PMC10349698.
出典2:Kokubo Y, Saito I, Iso H, Yamagishi K, Yatsuya H, Ishihara J, Maruyama K, Inoue M, Sawada N, Tsugane S; JPHC Study Group. Dietary magnesium intake and risk of incident coronary heart disease in men: A prospective cohort study. Clin Nutr. 2018 Oct;37(5):1602-1608. doi: 10.1016/j.clnu.2017.08.006. Epub 2017 Aug 12. PMID: 2884344
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