何かについていつも心配ばかりしていると、あなたにどんなことが起こると思いますか?
この世界は心配になるようなことばかりですよね。世界で一体何が起こっているのか、自身の仕事の安定や経済的なこと、近しい人との関係性、子供たちのこと、他人からの評価、自分や周りの人の健康、自分の体型や体重について、またはいつか間違いを犯してしまうのではないかとか、いつ天災が起こるのかなど、心配事が尽きません。
しかし、慢性的な心配が脳と体に良くない影響を及ぼす可能性があるのです。ある研究(出典1)によって、日頃から常に何かについて慢性的に心配をしていると、脳のさまざまな部位の構造に変化が生じたり、脳内の神経細胞の通信や接続にも変化が生じる可能性があることが示唆されました。
慢性的な心配によって扁桃体(恐怖反応を引き起こす脳の部分)が過剰反応をするようになり、結果的に扁桃体自体を肥大化させ、ほんの些細なことも全てに対して心配するようになることが、研究(出典2)で明らかになっています。そう、これがまさに負のスパイラルなのです。
それだけではありません、研究(出典3)によって、心配によって前頭前野が縮小することも判っています。また、心配によって私たちの記憶を司る重要な脳の部位である海馬の構造に変化が生じる得ると考えられています。最終的には海馬を縮小させ、時間の経過とともに、記憶や学習能力に影響を与える可能性もあります。
さらに慢性的な心配は、ストレスホルモンであるコレチゾールを放出させ、長期的に脳細胞に対して有毒となるとされています。そして全身の炎症を引き起こし、脳への影響もあると考えられています。同時にセロトニンを含む私たちの認識や気分を左右するとされる脳内科学物質を変化させると言われています。うつ病や認知症、またはその他の精神疾患との関連があるようです。
もちろん、人間は皆心配するようにできています。その上、様々なネガティブなニュースや、一見パーフェクトに見える他人の生活などの情報が溢れかえっている現代に生きる私たちは、慢性的な心配のループに陥りやすい環境に生きている事も事実です。しかしその心配の程度というのは、遺伝子、両親、育った環境や、住環境、個人のものの考え方によって異なります。
私たちの心配はほぼ根拠がなく、心配事のおよそ85%は現実に起こらないことが、研究(出典4)で証明済みです。そして全般性不安障害(GAD)の人の場合は、心配事の90%は杞憂に終わるとの結果が出ています。
不安を全て取り除くことはできませんし、不安になって然るべき事柄はあります。一時的な心配は至って普通のこと。しかしそれが慢性的になってしまうと上記のような問題が生じるわけです。ではどうすれば良いでしょうか?多くの研究によって、定期的な瞑想の実践が私たちの脳に非常に良い影響を与え、最終的にストレスやネガティブな思考に対する回復力を高めることが判っています。
他にも脳をポジティブな方向に変える簡単な方法はあります。それはまた別の機会にお話しさせていただきたいと思います。
Lots of love, Erica
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