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    あなたの脳を守るのはあなた自身!

    あなたの脳を守るのはあなた自身!

    5月30日に公開した記事 (https://goo.gl/yvyxXo 体重増加や肌の老化だけではなかった!「血糖値が高いと認知機能を低下する」衝撃の最新研究が明らかに。) では、高血糖と認知機能の低下の関係性についてお話ししました。本日は、その続編として、認知機能の低下、もしくは認知症やアルツハイマー発症予防に効果的な食べ物についてお話したいと思います。

    高精製炭水化物や糖質を多く取る欧米スタイルの食生活が、認知症やアルツハイマー病発症リスクを上昇させるは、研究により明らかになっています。それは、この数十年で急速に食の欧米化が進んだ日本で、認知症患者が上昇している現状からもわかります。厚生労働省の推計によると、認知症を患う人の数が2025年には700万人(およそ65歳以上のうち5人に1人)を超えるとされています。2012年には約462万人だったので、約10年で1.5倍にも増えることになります。

    繰り返しますが、認知症・アルツハイマー病発症リスク要因の最たるものは、高精製炭水化物・高GI値食品・高糖質・高脂肪な欧米スタイルの食生活です。その次にあげられるのは、腸内細菌、そして睡眠不足やストレスも要因であると考えられています。

    今年5月に発表された最新の研究(出典:1)で、野菜、果物、魚、ナッツ類などのバランスの取れた食事習慣を持つ高齢者は、脳が大きいことが判りました。脳が大きい方が、老化による思考能力や認知能力の低下が比較的緩やかであるとされているのです。

    このオランダで行われた研究(被験者 4,213名:平均年齢66歳・認知症は罹っていない)によって、食生活が脳の萎縮に影響し、それが老後の神経変性疾患の要因となることが明らかになったのです。

    まず、被験者が、直近1ヶ月の間におよそ400アイテムをどれだけ食べたかを詳細に調査しました。(オランダの食事ガイドラインに基づいた食品群:野菜、果物、全粒粉製品、豆類、ナッツ、乳製品、魚、茶、不飽和脂肪油・そのたの脂、赤身肉、加工肉、砂糖飲料、アルコール、塩)そしてその食事バランスを0点から14点で点数をつけました。最高点の食事はどのようなものだったかというと、それは、野菜・果物・ナッツ・全粒粉・乳製品、魚をバランスよく摂り、糖分の多い飲料の摂取ははごく限られた量のみという食事でした。被験者全体の平均点は7点でした。そして磁気共鳴画像による脳スキャンで、脳容積、脳白質病変のレベルおよび小脳出血等について検査をしました。被験者の平均総脳容積は932mlでした。この研究では食事内容だけでなく、血圧値、喫煙の有無、運動習慣など、脳容積に影響し得る要因について広く調査を行いました。さらに年齢や性別、頭周りサイズ等も考慮した上で結果、食事の質の点数と脳容積の大きさが関連しているということが判明したのです。食事の質の点数が高い人は、脳容積が平均して2ml大きいことが判りました。1歳加齢するごとに3.6ミリリットルの脳容積がシュリンクするといわれているので、2mlの脳容積の違いの影響は、決して小さいとはいえないでしょう。

    食事の質と脳容積の関連性は、1種類の食品群の摂取によるものではなく、様々な食品群の摂取によって促進されるものであると、研究者は言及しています。多種の健康的な食品を組み合わせよく摂る人の脳容積がより大きい。それは異なる食品群の成分と栄養素による相互作用の働きによるものであるというわけです。

    2013年に、日本で行われた研究(出典2)で、大豆および大豆製品、野菜、海藻類の摂取量の多い人は認知症発症リスクが低いという研究結果が発表されています。

    また別の発表されたばかりの、平均81歳の960名の高齢者を対象に行われた研究(出典3)によると、ほうれん草、ケール、小松菜、チンゲン菜などの葉物野菜を毎日摂取と、高齢者の記憶力の維持と認知能力低下の緩和とに、相互関係があることが判明したのです。 葉物野菜の摂取量ごとに5つのグループに分けて調査しました。最も葉物野菜を摂るグループの1日当たりの摂取量は平均1.3皿でした。(一皿:調理された葉物野菜1/2カップまたは、生葉物野菜1カップ分)。5年後、最も葉物野菜を摂るグループの認知能力の低下率は、葉物野菜をほとんど摂らないグループの低下率に比べ約半分だったことが判りました。

    以前に発表された研究(出典4)でも、野菜、特に葉物野菜やブロッコリー・カリフラワー等のアブラナ科の野菜を多く摂取した女性は、認知機能の低下が緩やかであることが判っています。

    葉物野菜には、ビタミンEおよびK、強力な抗酸化作用、フィトケミカル、ベータカロチン、および葉酸ビタミン等重要な栄養素が含まれています。これらは、脳を保護するために異なる役割と異なる生物学的メカニズムを有するのです。また抗炎症作用があり、フリーラジカルによる炎症を軽減にも役立ちます。

    毎日毎食ごとに何を口にするかは、10年後、20年後、30年後、それ以降のあなたの脳と身体の健康に影響を及ぼします。たっぷりの葉物をはじめとした野菜、大豆製品、魚、全粒粉、マメ科植物、ナッツ、エキストラバージンオリーブオイル等の良質のオイルをバランスのよく摂り入れ、健康的な食生活を楽しんでいただきたいと思います。あなたの脳、健康、美しさを守るのはあなた自身なのです。

    Lots of Love, Erica

    出典1:Pauline H. Croll, Trudy Voortman, M. Arfan Ikram, Oscar H. Franco, Josje D. Schoufour, Daniel Bos, Meike W. Vernooij. (May 2018) Better diet quality relates to larger brain tissue volumes. Neurology, DOI: 10.1212/WNL.0000000000005691

    出典2: Mio Ozawa, Toshiharu Ninomiya, Tomoyuki Ohara, Yasufumi Doi, Kazuhiro Uchida, Tomoko Shirota, Koji Yonemoto, Takanari Kitazono, Yutaka Kiyohara; Dietary patterns and risk of dementia in an elderly Japanese population: the Hisayama Study, The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 97, Issue 5, 1 May 2013, Pages 1076–1082, https://doi.org/10.3945/ajcn.112.045575

    出典3:Morris, Martha & Wang, Yamin & Barnes, Lisa & Bennett, David & Dawson-Hughes, Bess & L. Booth, Sarah. (2017). Nutrients and bioactives in green leafy vegetables and cognitive decline: Prospective study. Neurology. 90. 10.1212/WNL.0000000000004815.

    出典4: Kang, J. H., Ascherio, A. and Grodstein, F. (2005), Fruit and vegetable consumption and cognitive decline in aging women. Ann Neurol., 57: 713-720. doi:10.1002/ana.20476

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