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ビタミンDは免疫力をサポートする工具箱

ビタミンDは免疫力をサポートする工具箱

ビタミンDは強い骨を作る栄養素として知られていますが、実は健康的な免疫システムにとって最も重要な栄養素のひとつでもあります。ビタミンDは脂溶性で、日光を浴びると体内で生成することができるという際立った特徴があり、そのため「サンシャインビタミン」とも呼ばれています。また、ビタミンDはホルモンとしても作用し、血糖値のバランス、脳の健康、歯や骨の健康などすべてに関与するという点においてもユニークな存在です。

免疫システムとの関係に話を戻すと、ビタミンDはインフルエンザのような急性呼吸器感染症のリスクを軽減するスター的栄養素であり、特にビタミンDが欠乏している患者の場合、重症化を防ぐことが研究で明らかになっています。(出典1)また別の研究では、ウイルスの複製を遅らせ、炎症性分子を減らし、優れた抗炎症性分子を増やすことが判明しており(出典2)、人工呼吸器の装着期間を短くし、死亡率を低くするという研究(出典3)もあります。その他にも、ビタミンDがT細胞やマクロファージなどウイルスなどの病原体から体を守る免疫細胞の機能を高めるという研究(出典4)も発表されています。

先月(2020年4月)に発表されたばかりのフィリピンの研究では、ビタミンDの状態と新型コロナウイルス(COVID-19)の症状の関係が発表されました。それによると、より重症な患者の方がビタミンD3の血中濃度が低いということが判りました。(出典5)

患者の症状とビタミンD血中濃度関係
– ビタミンDの血中濃度が通常レベル (30ng/ml以上)の新型コロナウイルス患者:85.5%は軽症。
– ビタミンDの血中濃度が通常レベル以下(30ng/ml以下)の新型コロナウイルス患者:98.7% が肺炎、またはそれよりも悪化した状態になり、63.7%が重篤な状態に。

また、アイルランドで行われた別の研究(出典6)でも、ビタミンDの血中濃度の低さと新型コロナウイルス感染による重症化の関連性が指摘されています。(ちなみにビタミンD血中濃度は日本の方はあまり意識していないかもしれませんが、オーストラリアやその他の国では多くの人が自分のビタミンDレベルを知るために毎年検査をしているほどメジャーな数値なんですよ。)

コロナウイルスは新しい病原体でまだ十分な研究結果が集まっていないため現時点で断言はできませんが、ビタミンDの血中濃度を上げることが新型コロナウイルスとインフルエンザから体を守る可能性を示唆する研究も発表されています。(出典7)

興味深いことに、ウイルス性の風邪や季節性インフルエンザは、私たちのビタミンDの血中濃度が最も低くなる冬に多く発症します。これは、私たちがビタミンDの大部分を日光を浴びることで得ているからです。肌が日光にさらされると、日光の中の紫外線B(UVB)光線がエネルギーを提供し、皮膚の中でコレステロールからビタミンDが生成されるのを助けます。ですからなるべく日光を浴びてビタミンDの生成を促したいところですが、問題は住んでいる場所や季節によって紫外線Bの強さが異なるので、有益な量のビタミンDを得るために十分な日光を得られない場合もあるということです。例えば東京は冬でも晴れている日が多いですが、冬の太陽の角度では十分な紫外線Bを浴びることができません。他にも大気汚染のような他の要因のせいで、日光が当たらないように常に肌を覆ったり日焼け止めを使用したりすると、ビタミンDの生成に影響を及ぼしてしまいます。北半球では私たちは主に4月から9月の間に太陽からビタミンDを生成します。ただし、十分に日光を浴びることができない場合やビタミンDを含む食品を十分に摂取できない場合、サプリメントで補うことを検討してみてもよいかもしれません。

ビタミンDを多く含む食品
・魚(サケ、サバ、マグロ、タラ、イワシ、ニシン。缶詰も素晴らしい栄養源です!)
・タラの肝油(海外ではサプリメントとしてよく摂取されていて、私も毎日摂っています)
・卵黄
・キノコ

ビタミンDが豊富な食品を意識的に摂るようにし、十分なビタミンD生成のために週に数回、少なくとも15〜30分の日光浴を楽しみましょう。(ただし、年齢、遺伝、肌の色、体重など、様々な要因によって異なります)日光浴を楽しみましょう!(もちろん紫外線のダメージに気をつけてしっかり帽子で顔を覆ってくださいね。)手のひらを太陽にかざしてみるのもよいでしょう。

新型コロナウイルスの特別な治療法や特効薬、ワクチンは今のところまだありませんが、予防のためにできること、ウイルスと闘う免疫力を最大限に高めるために私たちができることはたくさんあります。ビタミンDが豊富な食品を摂り、太陽の光を浴びることもそのひとつです。さぁ、暖かな陽の光を受け止めましょう!

Lots of Love, Erica

出典1: Martineau AR, Jolliffe DA, Hooper RL, et al. (2017). Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data. BMJ. 2017;356:i6583. Published 2017 Feb 15. doi:10.1136/bmj.i6583

Amrein, K., Papinutti, A., Mathew, E., Vila, G., & Parekh, D. (2018). Vitamin D and critical illness: what endocrinology can learn from intensive care and vice versa. Endocrine connections, 7(12), R304–R315. https://doi.org/10.1530/EC-18-0184

出典2: Aranow C. (2011). Vitamin D and the immune system. Journal of investigative medicine : the official publication of the American Federation for Clinical Research, 59(6), 881–886. https://doi.org/10.2310/JIM.0b013e31821b8755

出典3: Miri M, Kouchek M, Rahat Dahmardeh A, Sistanizad M. (2019). Effect of High-Dose Vitamin D on Duration of Mechanical Ventilation in ICU Patients. Iran J Pharm Res. 18(2):1067‐1072. doi:10.22037/ijpr.2019.1100647

出典4: Di Rosa, M., Malaguarnera, M., Nicoletti, F., & Malaguarnera, L. (2011). Vitamin D3: a helpful immuno-modulator. Immunology, 134(2), 123–139. https://doi.org/10.1111/j.1365-2567.2011.03482.x

出典 5: Alipio, Mark. April, 2020. Vitamin D Supplementation Could Possibly Improve Clinical Outcomes of Patients Infected with Coronavirus-2019 (COVID-2019) Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=3571484 or http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.3571484

出典6: Panarese, A. and Shahini, E. (2020), Letter: Covid‐19, and vitamin D. Aliment Pharmacol Ther, 51: 993-995. doi:10.1111/apt.15752

出典7: Grant, W.B.; Lahore, H.; McDonnell, S.L.; Baggerly, C.A.; French, C.B.; Aliano, J.L.; Bhattoa, H.P. (2020). Evidence that Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths. Nutrients 2020, 12, 988.

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